VS冷蔵庫

取扱説明書の

 

※「カチッ」と音がするまで確実に押し込んでください

 

という説明通りに確実に押し込んだつもりが、

これまで幾つかのプラスチック部品(リモコンの電池のフタ等)を、

壊すつもりはないのに「バキッ」と音がするまで確実にへし折ってきました。

 

そして最近、また新たな犠牲を出してしまいました。

今回、私がやっつけたのは、冷蔵庫の「自動製氷装置」という

なかなかの大物です。

 

自動製氷装置は、専用のタンクに水を入れておくだけで

自動で氷を作ってくれる便利な機能で、

今どきの容量の大きめな冷蔵庫には、わりと付いている機能かと思われます。

 

この製氷装置を柄にもなく掃除しようとした時のこと。

説明書には「製氷装置をお手入れする際には、トレーを取り外し・・・云々」と

書いてあり、順を追って掃除も終え、取り外したトレーを元に戻そうというところで、

再度説明書を確認しました。

 

「※トレーを戻す際はフレームに沿ってカチッと音がするまで

 確実に押し込んでください」

20160323佐々木さん.JPG 

↑ 例の決まり文句に、ご丁寧に図解もついてと、

どうにも間違えようがないはずなのですが、

いかに押し込めど「カチッ」どころか所定の位置より

だいぶ手前までしか入りません。

奥で何かにぶつかっているようで、まったく微動だにせず、

格闘することおよそ30分。

 

その、たとえ満員電車であろうと自らの定位置を死守せんと、

岩のように動かない迷惑な乗客さながらの不遜な佇まいに

『北斗の拳』に登場するラオウの姿を重ね合わせ、

こちらとしても腕力で向き合わざるを得ない状況に追い込まれた、

というのが当時の偽らざる心境です。

その結果、奥の方で何かがバキッと悲鳴を上げて折れた音がしました。

 

何が折れたのかは詳しく分かりませんが、

洞窟の奥に潜む、目だけ光る見えない敵を倒した感触とでもいいますか、、、

どうやら、件のトレーをカチッと固定するためのツメというか

出っ張り部分もろとも破壊してしまったようです。

 

思い返せば、この製氷装置は

「いったい何時だと思ってるんだ!」というような深夜に

結構な轟音でゴロゴロと氷を作り始めたり、

かと思えば「製氷開始(氷大き目)ボタン」を押した私の

指令に対し完全無視を決め込み、気まぐれな猫のごとく

1日中ぐうたら(電力の)食っちゃ寝を繰り返し、

全く氷を作らない時期もあったりと、

たびたび私に対して反抗的な態度を覗かせてはいたので、

そんな心理的な要因もあり、つい過剰に力を加えてしまったのかもしれません。

 

結局(腕力以外で)何がいけなかったのかは分かりませんが、

氷を作る機能は完全に失われてしまいました。

 

既にメーカーの保証期間は過ぎていて、

修理には2万円近くかかるとのことから修理は諦め、

氷が必要な時は市販の物を買ってきて使うことにしました。

(水道水で作る氷よりお酒がおいしく飲めるので結果オーライです)

 

今回の騒動で、本来の機能を失った「旧自動製氷装置」ですが、

以前は氷専用だった製氷室を「第2冷凍室」として使用することで、

氷作りに追われることもなく「冷凍スペースにゆとりができた」と

家族からの評判も上々です。

 

私としても(壊しておいてなんですが)、

互いに拳を交えた良き戦友のような存在として、

その新たなスタートを応援してやりたいと、少し上から目線で思っております。 

このエントリーをはてなブックマークに追加

最終更新:2024/04/08 RSSについて

月別記事一覧