林泉寺/
しばられ地蔵

住  所
文京区小日向4-7-2
電  話
03-3943-0605
アクセス
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」下車 徒歩2分
ホームページ
詳細はホームページよりご確認ください
https://rinsenji.or.jp/

茗荷谷駅を出て左手のゆるやかな坂、茗荷坂を下って行くとすぐ「林泉寺」の看板が見えてきます。林泉寺は、慶長7年(1602年)、伊藤半兵衛長光の開基、通山宗徹を開山として創立された、400年の伝統と数々の伝説を秘めた由諸ある曹洞宗のお寺です。

入り口の階段を上がった右手には縄で縛られた石仏があり、一見ぎょっとしてしまいます。この地蔵尊は俗称を「しばられ地蔵」と呼ばれています。昔から「盗難や失せ物があると、地藏尊に縄をかけ、願いがかなうと縄をほどく」 と言う変った風習があり、現在も荒縄で全身をぐるぐる巻きにされています。

しばられ地蔵尊

お地蔵様が縛られる由来は江戸時代に遡ります。ときは享保年間(1716~36年)のある昼下がり、呉服間屋の手代が地蔵様の前で休み、居眠りをしているうちに反物を盗まれてしまいました。奉行は石地蔵が怪しいと言って地蔵を荒縄でしばり奉行所に運んだので、物見高い見物人が一緒に奉行所内に入ってきました。奉行は許しもなく白州に入った人々に、罰として三日以内に反物を持参させました。その反物の中に盗品があり、犯人が検挙されるに至りました。この「大岡政談」の話にある地蔵尊は、現在の葛飾区東水元「南蔵院」にありますが、林泉寺の地蔵が「しばられ地蔵」として有名となったのもこの頃からということです。

縛られ地蔵の由来が書かれた立て看板

また、林泉寺は座禅会を開いている寺としても国内外に知られ、外国からの禅友も多く参禅しています。林泉寺坐禅会(座禅会)は、昭和59年(1984年)2月22日に、江田和雄老師によって創設され、以来20年間多くの参禅者を迎え入れてきました。現在も現住職・江田真人師による指導で多くの会員が坐禅辨道に励んでいます。ほかにも、茶道教室やヨガ教室、住職が直接武道稽古にあたる「日曜わんぱく道場」などのお稽古を開くなど、地域から海外へと万人に広く開かれたお寺です。地蔵尊と本堂の周囲は樹々とたくさんの小さな地蔵に囲まれ、ひっそりとした静かな時間が流れています。坂の多い茗荷谷を歩く際には、ここで一休みさせていただくのも良いかもしれません。