まだ暑いですが、コヨミでは読書の秋ですね。
そこで今回は、1冊読んだら興味が湧いて「チェーン読み」してしまった本たち、です。
ちょっと長いかな?お昼休みなどに読んでいただくと幸いです。


◆壱冊目
『惜櫟荘(せきれきそう)だより』 佐伯泰英(さえき・やすひで)
http://www.saeki-bunko.jp/hitorigoto/index.html

 

1◆12091301惜櫟荘だより120913.JPG


今回のチェーン読みのきっかけは、ある日の朝刊広告でした。
「ベストセラー作家が仕事場にした熱海の別荘は、
実は岩波文庫の創始者が建てた豪邸。改築の2年間を綴るエッセイ、、、」こんな文言でしたか。
うーん、熱海の豪邸の小説家かー、いいなー。と、はじまり、はじまり。。。

地味だけど、贅を尽くして立てた豪邸。
出版社を創業した富豪は、海の景観を愉しむ為、下の海岸までを買い取っていた。
うわー、スケールが違いますねー。その旧家を買った小説家は、家をいったん解体して耐震構造にすること2年間、
豪奢な部材一つひとつに腕利きの大工たちと溜息をつきながら丹念に修復。
竣工パーティでは若く苦しく辛い日々、世話になった恩人たちを招いて感謝、感謝。
改築中に発した病とつきあいながら、エネルギッシュにかつ淡々と「月刊佐伯」のペースで小説をものし続ける姿。
今日もときおり筆を休めて、きらきらと光輝く凪いだ波に目を細めながら、江戸小説のプロットを練るのでしょうか、、、うーん、静かに感慨。


◆弐冊目
『闘牛』 佐伯泰英(さえき・やすひで)
http://www.bookservice.jp/layout/bs/common/html/interview/int0706.html

 

2◆12091302闘牛120913.JPG


『惜櫟荘だより』には、佐伯さんがカメラマンとして苦労した日々が綴られおり、この本につながってチェーン読み。
「スペイン闘牛」の歴史とスターたちの逸話、テクニック、スペイン人に無くてはならない闘牛場の存在。
この本は「太陽」の平凡社が刊行。あの「太陽」に潜む、ビジュアリーかつニッチな文化を大切にする世界。
闘牛テクニックの種類の多さ。闘牛士というスター達のドラマと代々引き継がれる歴史。
当時ほぼ無名だった佐伯さんは、改築パーティーに当時の編集長を招いた。恩義の人ですねー。

◆参冊目
『吉田五十八(いそや)作品集』
http://www.nanyodo.co.jp/php/detail_n.php?book_id=78690036

 

3◆12091303吉田五十八作品集120913.JPG


惜櫟荘を建てた建築家さんは、どんな家を他に作ったのかな?と作品・写真集をチェーン読み。
なんと、歌舞伎座や国内外の公館など、名だたる建築物を手がけた人。
A3版くらいの大きさ、約300ページ。
古い図書の懐かしいニオイ。白黒写真の建築たち。あー、建築とか美術って、いいですねー。

◆四冊目
『惜櫟荘(せきれきそう)主人』 小林 勇(こばやし・いさむ)
http://www.dotbook.jp/kd_ondemand/sample/KODB301522_S.pdf

 

4◆12091304惜櫟荘主人120913-2.JPG


惜櫟荘を建てた人ってどんな人かなー?とチェーン読み。
岩波茂男の娘婿の著書。茂雄社長の半生記。装丁が昭和!って感じ、布の表装を型押ししてある。
夏目漱石の「こころ」で岩波書店という「店」がまだ数名だった頃から茂雄の半生を綴る。

 ・「岩波文庫」シリーズが数冊から始まった話。
 ・国内初の「新書サイズ」の開発。欧米のペーパーバックがサイズのお手本だった。
 ・身内しか知りえない創始者の私的・公的な逸話たち。
 ・戦前戦後の神保町、せめぎあう出版社。出版人の苦しみ。
 ・当時の日本のホコリ臭さ、熱い汗臭さ、タバコ臭さ、第二次大戦前後の動乱。
 ・茂雄の反戦魂、善きモノ、哲学、文化、文明への熱い思い。
 ・熱海の惜櫟荘は、賓客の接待宿になり、作家の詰め宿になり、自身の休息の場にもなり、そして終焉の床になった。
 ・櫟(くぬぎ)の木は使いものにならない木。自分みたいだと惜櫟荘の庭の木を残した茂雄。
 ・「低く暮らし、高く思う」茂雄。

「昭和の人」なんて言われる今、古き善き「明治の人」、出版人を堪能しました。
この物語、誰か、映画とかドラマとか映像にしてくれないかなー。

◆五冊目
『すべては今日から』児玉 清
http://www.shinchosha.co.jp/book/449502/

 

5◆12091305すべては今日から120913.JPG


読書家、児玉さんが紹介してくれなければ、今の佐伯は無かったと感謝する佐伯さん。
既に鬼籍の人で叶わなかったが、佐伯さんが惜櫟荘の竣工パーティーに呼びたかった1人、児玉さん。
その児玉さんの図書推薦エッセイ。推薦される本はあれもこれも読みたくなってしまう本。
あとがきで「佐伯さんは、父が最後の時まで大好きだった小説家」と息子さんが温かく綴っていた。友情に涙。
おっとー、この本からまたチェーン読みの始まり。。。

いやいや、次は亜紀書房の本をチェーン読みだっ!いえーい。皆様もぜひ。
http://www.akishobo.com/

ではまたー。

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デザイン室の菊地です。

夏の疲れに追い打ちをかけるこの残暑…(^^;)
そんなときは『飲む点滴』甘酒の出番です!!
いま流行の酵素もたっぷり!
ここ数年甘酒好きになり、よく買って飲んでいましたが
うちで簡単に作れることが判明。
しかも『作る』というにはおこがましいほど、ちょう簡単。
働いてくれるのは人ではなく『炊飯器』と『こうじ(麹)』です。

●ある夜の『仕込み』より
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今回の主役、『こうじ』君です。
スーパーの豆腐売り場にて300円弱です。
 

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炊飯器でおかゆを炊きします(米 1合/水 3合)。
60度くらいに冷ましたら、
そこに袋の上からよくほぐした『こうじ』君を投入します。
もけもけっと、こうじ君の菌糸(?)が空中にたゆたいます。

 

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よくまざったら、炊飯器をフタを開けたまま保温にし、
布巾をかけて7~10時間待ちます…というか寝ます。
あとはこうじ君がせっせと美味しくしてくれます。
*ほんとは途中、1~2回まぜるとよい。

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そして朝です。いい仕事してくれました~♪
ブドウ糖の天然の甘さが、和みますなぁ。

前回10時間発酵させたら、すっごく甘かったので
今回は6時間にしました。
発酵が進みすぎると、酸っぱくなってしまうので、
よい頃合いできっちり冷まして、冷蔵庫で保存します。

という感じで、簡単ですので
お好きな方はぜひ手作りしてみてください(*^0^*)

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電子編集室の横尾です。

6月からトライで正式に働くこととなりました。
日々まわりのみなさまにご指導いただきながら
何とかやっております。


先日、友人の誕生祝いをしました。

「20代最後だし、バンジージャンプがしたい!」
という彼女の夢を叶るべく……
えっ?わたしは飛びませんけど。

というわけで
乗ってきました。
バンジーではなく、富士急ハイランドの「ええじゃないか」
みなさんはもう乗りましたか?

「ええじゃないか」は、いわゆるジェットコースターですが、
座席が前後にぐるんぐるん回転してしまう、
たいへん激しい乗り物です。

世界で最も恐いコースター第2位と言われているそうですよ…。
ちなみに回転数でギネスに登録されているほどです。
 

富士急に到着して早々に順番待ちの列に並んだのはいいのですが、
緊張のためか、前日の睡眠不足のせいか、
わたしのお腹さんがそわそわし始めました。
待っている間、人々の悲鳴と共に
謎の飛行物体が目の前を猛スピードで通過してゆきます。
それを横目に見ながら、さらに胃は緊張を高めていくばかり。
本気で乗りたくない…と思い始めたその時、
わたしの気持ちが天に通じたのか、
突如、雷と共に大粒の雨が!

ああ、神様!

アトラクションの運転は一時中断となり、
そのまま30分待っても雨は止む気配がなく、
やむなく運転中止となりました。

ああ、めでたしめでたし。
いやいや残念。

ところが
午後になって雨は止み、
先ほどの運転中止のお知らせの後に、
優先券を渡されていたわたしちは、
改めてええじゃないかに乗ることに。
その頃にはわたしの胃も落ち着きを取り戻し、
どんとこい!と思えるようになっていました。

しかし、再度待っている間、午前中よりさらに近くで、
ええじやないかを見ることになったのです。
間近で見るええじゃないかは、轟音、豪速の巨大な何かです。
見つめることしかできないけれど、早すぎて見つめられません。
脳が理解できないのです。
化け物」というのはこんなものを指す言葉なんだろうかと思いました。

わたしたちは、しばしば無言でその時を待ち続けました。


私:ほら、あれに乗るんだよー

脳:?

私:あの乗り物に乗るんだよ!

脳:あれはそもそも乗り物じゃないですよ。

私:あれは乗り物なの!これから乗るの!

脳:何おかしなこと言ってるんですか?

私:あの、だからね…

脳:おっしゃる意味がわかりません。


終わりの見えない押し問答が延々と続きました。

そしてついにその時が!

もう逃げられません。
靴が脱げないよう裸足にさせられ、
胴をがっしり固定されて、いざ出発。

もう、どうにでもなってしまえ。
 

yokoo0907.JPG

写真は富士急にある別の乗り物ですが、
イメージです。


怖い!恐い!こわい! 
おなかが○×△…!
景色が見えない!…
あ、終わっ……た?


私:ついに乗ったね!

脳:何かあったんですか?

私:だからいま乗ったじゃない

脳:そうだったんですか、はて…。どんなでしたか?

私:すごかったよ、えーとねえ…… あら? 何だったのかしら?


ともかく、

これに乗れたら他のどんな絶叫マシーンにも耐えられるであろうという、
日常に全く役に立たない自信と、
結局「早すぎてよくわからなかった」
というお土産を持ち帰ることになったのでした。

乗ったことのない方、一度挑戦してみてはいかがでしょう?
ちなみに年齢制限があり、60歳までとなっております。

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最終更新:2024/04/08 RSSについて

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